背景
学校現場では避難訓練の訓練内容が形骸化している実情があります。
訓練時に児童がとる行動が定型化しており、災害時に状況に応じた判断が出来ないことが予想されます。
学校現場における危機管理は、自然災害(地震や津波、台風等)、火災や原子力災害だけでなく、交通事故、活動中の不慮の事故、不審者や侵入者、熱中症、さらには学校内の個人情報管理、いじめ等に関する問題なども含むと多岐にわたります。
そのため、防災教育に⼗分な時間が割けない・⼈材を充てられないのが実情です。
さらに、教員の防災教育に関する資質能⼒等により教育内容に差が⽣じていることも解消すべき課題となっています。
今後はシームレスな防災教育の実現に向けた取り組みも整備する必要があります。
目的
①子ども達が自ら考え、行動できるようにすること
②小中学生の防災意識の向上(自分事化)を図ること
③防災に関する必要な知識やスキルの習得を図ること
④過去の災害における課題や教訓を児童に伝承すること
⑤早期からの防災意識と知識の醸成を図ること
⑥学校現場と連携し、防災教育の普及を推進すること
→既存のプロジェクトや防災庁・文部科学省との連携
対象年齢・区分案
【初級】
小学校1年生~3年生 が対象
防災を「知る」・「体験する」ことが中心
【中級】
小学校4年生~6年生 が対象
「行動する」力を養成
【上級】
中学生 が対象
リーダー的役割、防災教室の主催など
カリキュラム
知識分野
・地震・台風・大雨のしくみを知る
・防災クイズやゲーム
・防災スタンプラリー
・「もしも」のときどうする?(避難行動)
・ハザードマップを読む
・被災時の家族との連絡方法の確立
・防災グッズを準備する
技能分野
・消火器による初期消火
・簡易担架など防災DIY
・ロープワークの習得
・簡単な応急手当
・ジャッキアップ救出方法
・救助要請の方法
・経口補水液の作成
・心肺蘇生法の習得
・AEDの使用方法の確認
心理分野
防災心理の研究
・正常性バイアスの理解
・不安な気持ちの対する対処法
・避難所での過ごす自分をイメージする
・復興時のストレス対策
こども防災士の活動
【平常時】
・地域の防災訓練の補助
・学校の防災教育のリーダー
・防災グッズの定期点検
・オンラインミーティング
(月1回定期開催)への参加
【災害発生時】
・初期消火の補助
・応急手当の補助
・避難誘導の補助
・避難所運営の補助
子ども防災士が生むメリット
〇学校現場との連携
・資格として普及させることによって、防災教育の体系化が可能になります。
・総合の時間を有効に活用できます。
・小学校から中学校にかけてシームレスな防災教育が実施できます。
〇教員の負担軽減
防災教育士を派遣することによって、防災教育時の
教員の負担を軽減することができます。
〇防災教育を継続性や一貫性を持って実施
防災教育士は異動が生じないので、防災教育を 継続性や一貫性を持って
実施できます。
〇被災時の対応の明確化
被災時の対応を親子で話し合うきっかけになり、
家族全体の防災意識が高まります。
例)対応の明確化(例:集合場所)、備蓄の準備
子ども防災士の展望
〇「こども防災士ジュニアリーダー」制度
→親子防災イベントを子ども防災士が企画・運営
〇子ども防災士コンテスト
→ポスター・作文・プレゼン大会を実施
〇防災教育×STEAM教育の導入
→災害シミュレーション、プログラミングの活用